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安全書類(グリーンファイル)の解説

新規入場者アンケートの書き方

公開 2026年10月24日 / 株式会社菩提樹

結論(3行)

  1. 新規入場者アンケート(新規入場者調査票などとも呼ばれます)は、元請が新規入場者教育のときに配る自社の用紙です。法令で決まった様式はなく、項目は元請によって違います。
  2. 背景には、建設業の特定元方事業者が、新しく現場に入る人への周知のために場所や資料を提供する決まり(安衛則642条の3)と、各社の雇入れ時教育の義務(労働安全衛生法59条、安衛則35条)があります。
  3. 外国人の職人さんには、国の通達が「母国語等を用いる、視聴覚教材を用いる等、当該外国人労働者がその内容を確実に理解できる方法」で教育するよう求めています。厚生労働省には建設業向けの多言語教材があります。

新規入場者アンケートとは

初めてその現場に入る人は、作業を始める前に元請の新規入場者教育(受入教育)を受けます。そのときに書くのが新規入場者アンケートです。元請は、これで本人の連絡先・健康状態・資格などを確かめ、現場のルールを伝えます。教育を受けた日は、作業員名簿の「受入教育実施年月日」の欄に書かれます。

法律との関係

決まり中身根拠
新規入場者への周知(元請側)建設業の特定元方事業者は、同じ場所で作業が行われるとき、現場の状況(危険な箇所を含む)や作業どうしの関係などを、下請が新しく現場に入る作業従事者に周知できるよう、場所の提供や資料の提供などをする。元請が自分で周知する場合はこの限りでない安衛則642条の3
雇入れ時の教育(各社側)事業者は、労働者を雇い入れたとき・作業内容を変えたときに、機械や原材料の危険性、保護具、作業手順、作業開始時の点検、事故時の応急措置・退避などのうち必要な事項を教育する労働安全衛生法59条1項・2項、安衛則35条

「新規入場者アンケート」という名前の書類を義務づける条文は見当たりません。アンケートは、こうした周知や教育を確かに行ったことを記録し、緊急時に必要な情報を集めるために元請が用意しているもの、と考えるとわかりやすいでしょう。

厚生労働省の「業種別の教材(建設業)」のページには、建設業労働災害防止協会が作成した「建設現場における新規入場者に対する教育テキスト」も掲載されています。教育の中身を確かめたいときの参考になります。

根拠:労働安全衛生法59条/労働安全衛生規則35条・642条の3/厚生労働省「業種別の教材(建設業)」

よくある項目と書き方

項目は元請によって違いますが、よく見かけるものと書き方のこつをまとめます。

項目書き方
入場日・現場名初めて入る日。現場名は元請の工事名どおりに
所属会社・次数自分を雇っている会社(一人親方なら自分の屋号)と、何次の下請か
氏名・ふりがな・生年月日・年齢作業員名簿と同じ表記にそろえる
血液型わかる範囲で。わからなければ「不明」
住所・電話本人に連絡がつく番号
緊急連絡先家族などの氏名・続柄・電話。本人の番号を書かない
職種・経験年数この現場で受け持つ仕事と、その仕事の経験年数
資格・免許・技能講習・特別教育持っているものを書き、写しを求められたら添付。有効期限があるものは期限も
健康診断の受診日・血圧直近の健康診断の日付。血圧はその時の値(元請の指示による)
今日の体調・持病睡眠不足や服薬など、作業に関わることは正直に
保険の加入健康保険・年金・雇用保険(作業員名簿の書き方と同じ)
現場のルールの確認立入禁止の場所、合図、避難場所、保護具などを聞いたかのチェック
署名本人が署名。代筆するときは元請に確かめる

書くときの注意

根拠:国土交通省「作業員名簿(作成例)」/労働安全衛生規則44条

外国人の職人さんには母語で

日本語の用紙を渡して「わかりましたか」と聞くと、「はい」と答えてくれることがあります。でも、それで中身が伝わったとは限りません。国も、外国人労働者への安全衛生教育のやり方について通達を出しています。

国の通達に書かれていること

厚生労働省の通達(平成31年3月28日 基発0328第28号「外国人労働者に対する安全衛生教育の推進等について」)は、次のように書いています。

外国人労働者に対し安全衛生教育を実施するに当たっては、当該外国人労働者の母国語等を用いる、視聴覚教材を用いる等、当該外国人労働者がその内容を確実に理解できる方法により行うこと。…事業場内における労働災害防止に関する標識、掲示及び表示等については、図解等を用いる、母国語で注意喚起語を表示する等、外国人労働者がその内容を理解できるようにする…

同じ通達では、教材として厚生労働省のホームページの資料のほか、公益財団法人国際研修協力機構、外国人技能実習機構、一般財団法人国際建設技能振興機構などの資源が活用できると考えられる、としています。

厚生労働省の建設業向け多言語教材

厚生労働省の「業種別の教材(建設業)」のページには、外国人労働者向けの映像教材とテキストが掲載されています。共通事項(建設現場全般、メンタルヘルス対策、熱中症対策など)と、型枠・左官・鉄筋・建設機械施工・土工などの業務別の内容があり、日本語、英語、インドネシア語、中国語、ベトナム語、フィリピノ語、モンゴル語、タイ語、カンボジア語、ネパール語、ミャンマー語の、日本語と10の外国語で用意されています。

アンケートと入場教育でできる工夫

根拠:厚生労働省 基発0328第28号「外国人労働者に対する安全衛生教育の推進等について」/厚生労働省「業種別の教材(建設業)」/厚生労働省「外国人労働者の安全衛生管理」/建設業法施行規則14条の2

集めた情報の扱い

アンケートには、住所・緊急連絡先・健康状態など、本人にとって大事な情報が書かれます。国交省の作業員名簿の作成例には「安全衛生管理や労働災害発生時の緊急連絡・対応のために元請負業者に提示することについて、記載者本人は同意しています」という一文があります。アンケートでも、何のために使うかを本人に伝えてから書いてもらい、書いた用紙の保管場所を決めておきます。

よくある書き間違い

  1. 緊急連絡先に本人の携帯を書く:本人が倒れたときにつながりません。家族などの番号を書きます。
  2. 名簿と生年月日・氏名の表記が違う:とくに外国の方のカタカナ表記がずれやすい項目です。
  3. 資格を「あり」とだけ書く:何の技能講習・特別教育かまで書きます。
  4. 健康診断の日付が古い:1年以内の日付か確かめます。
  5. ルール確認のチェックを全部まとめて付ける:聞いた項目ごとに確かめて付けます。
  6. 外国の方の分を代わりに日本語で書く:本人が内容を理解したかがわからなくなります。母語を並べた用紙で、本人に書いてもらいます。

AI番頭 建太くんでできること

建太くんは、新規入場者アンケートの用紙そのものを作る道具ではありません。関係するのは次の機能です。

  • ことば番頭(11の外国語):社長は今までどおり日本語で書きます。相手の言語を選んでおけば、母語と日本語を並べて職人さんのLINEに届きます。職人さんからの返事も母語のままで構いません。現場名と人の名前は日本語のまま(呼び間違いを防ぐため)にしています。
  • 作業員名簿:職人台帳に一度入れれば現場を選ぶだけで刷れ、安全書類の見張りに期限を入れた資格は、切れていれば出す前に赤で出ます(健康診断は1年を過ぎると注意が出ます)。アンケートに書く氏名・生年月日・資格を、名簿とそろえやすくなります。

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この記事は2026年10月24日時点の法令・資料に基づきます。法令の条文は e-Gov 法令検索、様式の作成例は国土交通省・厚生労働省の公開資料で確かめています。実際の提出書類と様式は、元請の指定に従ってください。
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