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安全書類(グリーンファイル)の解説

グリーンファイルとは

公開 2026年10月24日 / 株式会社菩提樹

結論(3行)

  1. グリーンファイルは、下請が元請に出す労務安全書類(安全書類)一式の通称です。法律の用語ではありません。
  2. グリーンサイトは、その書類をインターネット上で作成・提出・確認する民間のクラウドサービスの名前(提供会社の登録商標)です。中身はほぼ同じで、違うのは紙で出すか、ネットで出すかです。どちらで出すかは元請が決めます。
  3. 小さな下請がまず用意するのは、会社の情報・職人さんごとの情報・現場ごとの情報の3つ。これがそろえば、作業員名簿も再下請負通知書も書けます。

グリーンファイルとは

建設現場では、下請の会社が元請に出す安全・労務関係の書類をまとめて「グリーンファイル」「安全書類」「労務安全書類」などと呼びます。作業員名簿、再下請負通知書、持込機械等使用届などがその中身です。

この呼び名は現場の通称で、建設業法や労働安全衛生法に「グリーンファイル」という言葉は出てきません。法律で決まっているのは、一部の書類について書かなければならない中身です。たとえば国土交通省の関東地方整備局の解説資料は、施工体制台帳・作業員名簿・再下請負通知書・施工体系図のいずれについても「建設業法では…様式は定められていませんので、この様式によらなくても構いません」と注意書きしています。

ですから、同じ「グリーンファイル」でも、元請によって求める書類の種類や様式が少しずつ違います。全国建設業協会の統一様式(いわゆる「全建統一様式」)に沿った用紙を使う元請もあれば、自社独自の様式を使う元請もあります。まず元請から渡された一覧と様式を確かめるのが出発点です。

根拠:国土交通省 関東地方整備局「建設工事の適正な施工を確保するための建設業法(令和8.2版)」(施工体制台帳・作業員名簿・再下請負通知書・施工体系図の各作成例の注意事項)

グリーンサイトとの違い

「グリーンサイト」は、提供会社の説明によると「労務安全書類(グリーンファイル)をインターネット上で作成・提出・確認できるサービス」です。「グリーンサイト」は提供会社の登録商標です。

グリーンファイルグリーンサイト
何を指すか労務安全書類一式の通称労務安全書類をインターネット上で作成・提出・確認する民間のクラウドサービスの名前
形紙(または紙と同じ内容のファイル)ネット上の画面・データ
どちらを使うか元請が指定します。下請が自由に選ぶものではありません

電子で出すよう指定された現場では、そのサービスの画面に入力します。紙で出すよう指定された現場では、紙の様式に書きます。中身(だれが入るか、保険・教育・資格はどうか)は同じなので、自社の情報を1か所にまとめておけば、どちらの形にも書き移せます。

「グリーンサイト」「建設サイト・シリーズ」は提供会社の登録商標です(「グリーンサイト」提供会社のプレスリリース(2026年7月28日・PR TIMES)の注記による)。この記事は一般的な説明で、サービスの機能・料金の比較はしていません。詳しくは提供会社の案内をご覧ください。

グリーンファイルの中身(よく求められる書類)

元請によって違いますが、よく求められる書類と、その役割は次のとおりです。

書類だれが作る何のため
施工体制台帳作成建設工事の通知(提出場所の掲示)元請台帳を作る工事であること、再下請負通知書の提出場所を下請に知らせる
再下請負通知書さらに下へ請け負わせた下請請け負わせた相手とその工事の内容・工期・技術者・保険などを元請に知らせる
作業員名簿各下請(各社別)現場に入る人の氏名・職種・保険・教育・資格を知らせる
施工体制台帳・施工体系図元請下請から集めた情報で、現場の施工体制を一覧にする
持込機械等使用届機械を持ち込む下請重機・電動工具などの点検状況と、使う人の資格を知らせる
新規入場者アンケート・新規入場者教育の記録元請(本人が記入)初めて現場に入る人の連絡先・健康状態・資格などを確かめ、現場のルールを伝える
その他(元請による)下請工事用・通勤用車両の届、火気使用の届、有機溶剤などの持込届、安全衛生計画書など

法律で決まっているもの・元請が決めているもの

グリーンファイルの書類は、「法律で中身が決まっているもの」と「元請が安全管理のために求めているもの」に分けて考えると整理しやすくなります。

法律で中身が決まっているもの

元請が安全管理のために求めているもの

持込機械等使用届、新規入場者アンケート、火気使用の届などは、それ自体の名前で提出を義務づける条文は見当たりません。ただし元請には、下請が安衛法令に違反しないよう指導する義務(労働安全衛生法29条)や、建設業の特定元方事業者として機械の配置計画を作り(同法30条1項5号、安衛則638条の3)、新しく現場に入る人への周知のために場所や資料を提供する義務(安衛則642条の3)などがあります。こうした決まりを守るために、元請は書類で状況を確かめます。

根拠:建設業法24条の8/建設業法施行規則14条の2〜14条の4/入札契約適正化法15条/国土交通省「作業員名簿(作成例)」/労働安全衛生法29条・30条/労働安全衛生規則638条の3・642条の3

小さな下請がまず用意するもの

従業員5人、10人といった会社では、事務の人手が限られる中で、書類のたびに同じことを書く手間がかかります。グリーンファイルの中身は、ほとんどが次の3つの情報の組み合わせです。これを1か所にまとめておくと、どの元請の様式にも書き移せます。

まとめておく情報中身使う書類
① 会社の情報(めったに変わらない)商号・住所・電話/建設業の許可番号と業種/健康保険・厚生年金保険・雇用保険の加入状況と事業所の番号再下請負通知書、作業員名簿の上の欄、各種の届
② 職人さんごとの情報(年に何回か変わる)氏名・ふりがな・生年月日/職種/保険/建退共・中退共/受けた教育と日付/技能講習・免許(写し)とその期限/健康診断の日付/CCUSの技能者ID(登録していれば)作業員名簿、新規入場者アンケート、持込機械等使用届の取扱者欄
③ 現場ごとの情報(現場が変わるたび)元請・工事名・工期/注文者との契約日/現場代理人・主任技術者・安全衛生責任者/受け持つ作業/持ち込む機械/さらに下に請け負わせる相手再下請負通知書、作業員名簿、持込機械等使用届

建設業の許可を持つ会社は、請け負った工事に主任技術者を置くことになっています(建設業法26条1項)。現場ごとの情報に、だれを主任技術者にするかを必ず入れておきます。

根拠:建設業法26条

よくある間違い

  1. 前の現場の書類をそのまま写す:年齢・資格の期限・工期がずれたまま出てしまいます。
  2. グリーンサイトとグリーンファイルを同じものだと思う:前者はサービスの名前、後者は書類一式の通称です。電子で出すか紙で出すかは元請の指定を確かめます。
  3. 元請の様式を確かめずに別の様式で出す:法律では様式が決まっていなくても、現場では元請の様式で求められます。
  4. 人の入れ替えや工期の変更を出し直さない:再下請負通知書は、変更があれば変更年月日を付けて出し直す決まりです(施行規則14条の5)。
  5. 資格証の写しの期限を見ていない:運転免許のように有効期限がある資格は、期限切れのまま出すと差し戻しの原因になります。

AI番頭 建太くんで作ると

  • 作業員名簿の中身はほとんど(生年月日・住所・血液型・保険の番号・技能者ID)、現場が変わっても変わりません。職人台帳に一度入れれば、全部の現場で使い回せます。
  • 現場ごとに入れるのは、元請・工期の開始と終了・現場代理人・主任技術者・受け持つ作業の6つ。この6つと、入る人の台帳がそろい、期限切れや注意がなければ「そのまま出せます」と出ます。
  • 安全書類の見張りに期限を入れた資格は、名簿に自動で載り、切れていれば赤で出て、出す前の点検で名指しで止めます(それでも印刷することはできます)。健康診断は、受けた日から1年を過ぎると注意が出ます。
  • 出るのは紙(印刷)です。PDFは印刷画面の「PDFに保存」で作れます。グリーンサイト等への電子提出はしません。元請が電子提出を指定している場合は、この紙を見ながら入力していただく形になります。

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この記事は2026年10月24日時点の法令・資料に基づきます。法令の条文は e-Gov 法令検索、様式の作成例は国土交通省・厚生労働省の公開資料で確かめています。実際の提出書類と様式は、元請の指定に従ってください。
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