安全書類(グリーンファイル)の解説
再下請負通知書の書き方と記入例
公開 2026年10月24日 / 株式会社菩提樹
結論(3行)
- 出すのは、施工体制台帳を作る工事で、請け負った工事をさらに別の業者に請け負わせた下請です。宛先は元請(作成建設業者)で、請け負わせる都度、遅滞なく出します。
- 書くのは「自社のこと」と「自社が請け負わせた相手(再下請負人)とその工事のこと」。相手との契約書の写しを付けます(公共工事以外は金額の部分を除いてよい)。
- さらに下へ請け負わせていない会社には、法律上の提出義務はありません。ただし元請が自社の体制を知るために、別の書類を求めることはあります。
再下請負通知書とは
元請は、現場にどの会社が何次で入っているかを施工体制台帳にまとめ、施工体系図を現場に掲げます(建設業法24条の8第1項・第4項)。でも元請は、二次・三次の下請と直接契約していないので、その情報を自分では集められません。
そこで建設業法24条の8第2項は、下請が請け負った工事を他の建設業を営む者に請け負わせたときは、元請(特定建設業者)にその相手の商号や工事の内容・工期などを通知しなければならない、と決めています。この通知に使う書面が再下請負通知書です(施行規則14条の4第2項で「再下請負通知書」という名前が出てきます)。
なお、関東地方整備局の解説資料は「建設業法では再下請負通知書の様式は定められていませんので、この様式によらなくても構いません」と注意書きしています。決まっているのは書く中身で、紙の形ではありません。
根拠:建設業法24条の8/建設業法施行規則14条の4/国土交通省 関東地方整備局「建設工事の適正な施工を確保するための建設業法(令和8.2版)」(30.再下請負通知書)
いつ必要? 対象になる工事
再下請負通知が必要になるのは、施工体制台帳を作らなければならない工事です。
| 工事 | 施工体制台帳が必要になる条件 | 根拠 |
|---|---|---|
| 民間工事 | 発注者から直接請け負った特定建設業者が結んだ下請契約の代金の合計が5,000万円以上(建築一式工事は8,000万円以上) | 建設業法24条の8第1項、施行令7条の4 |
| 公共工事 | 元請が下請契約を結んだとき(金額にかかわらない。特定建設業者に限らない) | 入札契約適正化法15条1項 |
自分の現場が対象かどうかの見分け方
施工体制台帳を作る元請(作成建設業者)は、下請に対して次のことを書面で通知し、同じ内容を現場の見やすい場所に掲げることになっています(施行規則14条の3第1項)。
- 作成建設業者(元請)の商号又は名称
- さらに下へ請け負わせたときは再下請負通知をしなければならないこと、そして再下請負通知書の提出場所
ですから、元請からこの通知を受け取っていたり、現場に「再下請負通知書の提出場所」の掲示があれば、その現場は対象です。わからなければ元請の現場事務所に聞くのが確実です。
根拠:建設業法施行規則14条の3/建設業法施行令7条の4/入札契約適正化法15条
誰が、誰に出す?
出すのは「請け負った工事を、さらに別の業者に請け負わせた下請」です。条文ではこの会社を再下請負通知人、請け負わせた相手を再下請負人と呼びます。
| 施工体制の例 | 再下請負通知書 |
|---|---|
| 元請A → 一次B | Bの情報は元請Aが自分で台帳に書く(Bが「自分のための」再下請負通知書を出すわけではない) |
| 一次B → 二次C | Bが、Cとその工事のことを書いて元請Aに出す |
| 二次C → 三次D | Cが、Dとその工事のことを書いて元請Aに出す |
| 三次D(下に請け負わせていない) | Dは出さない(提出義務なし) |
- 宛先は元請(作成建設業者)です。関東地方整備局の資料では、上位の下請を経由する形での提出も差し支えないとされています。
- 相手が建設業の許可を持っていない業者(一人親方を含む)でも、建設工事を請け負わせたなら対象です(条文は「他の建設業を営む者」。同資料も「建設業の許可を受けていない者を含みます」と明記)。
- 請け負わせた会社は、元請から受け取った通知と同じ事項(元請の名前・再下請負通知が必要なこと・提出場所)を、請け負わせた相手にも書面で伝えなければなりません(施行規則14条の4第2項)。
根拠:建設業法施行規則14条の4第1項・第2項/国土交通省 関東地方整備局「建設工事の適正な施工を確保するための建設業法(令和8.2版)」(26〜30)
何を書く?(施行規則14条の4)
書く事項は施行規則14条の4第1項で決まっています。大きく4つのまとまりです。
| まとまり | 書くこと |
|---|---|
| ① 自社(再下請負通知人)のこと | 商号又は名称、住所。建設業者なら許可番号 |
| ② 自社が請け負った工事のこと | 工事の名称、注文者(自分の1つ上の会社)の商号又は名称、注文者と下請契約を結んだ年月日 |
| ③ 自社が請け負わせた相手(再下請負人)のこと | 商号又は名称、住所/建設業者なら許可番号と、請け負った工事に係る許可業種/健康保険等の加入状況(健康保険・厚生年金保険・雇用保険) |
| ④ 相手が請け負った工事のこと | 工事の名称・内容・工期/下請契約を結んだ年月日/自社が監督員を置くときはその氏名など/相手が現場代理人を置くときはその氏名など/相手の主任技術者の氏名・資格・専任かどうか/主任技術者以外に専門技術者を置くときはその氏名・担当工事・資格/従事する人の事項(氏名・生年月日・職種・保険・退職金共済・教育・資格=作業員名簿の中身)/1号特定技能外国人・外国人技能実習生の従事の状況 |
添付書類:自社と再下請負人が結んだ請負契約の書面(建設業法19条1項・2項の書面)の写し。公共工事以外では、請負代金の額の部分は除いてよいとされています(施行規則14条の4第3項)。また、添付した契約書に書いてある事項は、通知書への記載を省略できます(同14条の5第5項で準用する第1項)。
根拠:建設業法施行規則14条の2第1項3号・4号、14条の4、14条の5
記入例
二次下請の「株式会社サンプル建設」が、三次の「山田工業株式会社」に足場の一部を請け負わせた、という架空の例です。関東地方整備局の作成例の欄の並びを参考にしています。
| 欄 | 記入例(すべて架空) |
|---|---|
| 提出先 | 見本建設株式会社(元請・作成建設業者)御中 |
| 作成(変更)年月日 | 2026年5月8日 |
| 《自社に関する事項》 | |
| 会社名・住所・電話 | 株式会社サンプル建設 ○○県○○市○○0-0 00-0000-0000 |
| 直近上位の注文者 | 見本工業株式会社(一次下請) |
| 工事名称・工事内容 | 松本邸 新築工事/仮設工事・外部足場 |
| 工期・注文者との契約日 | 2026年4月10日〜2026年11月28日/2026年4月5日 |
| 建設業の許可 | とび・土工工事業 ○○県知事許可(般-○)第○○○○○号 |
| 現場代理人・主任技術者(専任/非専任) | 田中 健一/佐藤 直樹(非専任・資格内容を記入) |
| 健康保険等の加入状況 | 健康保険 加入/厚生年金保険 加入/雇用保険 加入(事業所整理記号等を記入) |
| 《再下請負関係》 | |
| 再下請負人の会社名・住所 | 山田工業株式会社 ○○県○○市○○0-0 |
| 工事名称・工事内容 | 松本邸 新築工事/外部足場の組立て・解体 |
| 工期・契約日 | 2026年5月10日〜2026年10月31日/2026年5月7日 |
| 建設業の許可 | とび・土工工事業 許可番号(許可を持っていない場合はその旨) |
| 現場代理人・主任技術者 | 山田 一郎/山田 一郎(非専任・資格内容を記入) |
| 健康保険等の加入状況 | 健康保険 加入/厚生年金保険 加入/雇用保険 適用除外 などの別 |
| 1号特定技能外国人・外国人技能実習生 | 従事の状況 有・無 を○で囲む |
| 添付 | サンプル建設と山田工業の契約書の写し(金額部分を除く)、山田工業の作業員名簿 |
保険の「加入/未加入/適用除外」は、関東地方整備局の作成例の注意事項で、届出をしていれば「加入」、していない(一部の営業所でもしていない場合を含む)なら「未加入」、従業員規模等により適用が除外されている場合は「適用除外」とされています。
変わったとき・電子で出すとき
- 変わったとき:一度通知した事項に変更があったら、遅滞なく、変更があった年月日を付記して、書面で元請に通知します(施行規則14条の5第5項で準用する第4項)。工期の延長や主任技術者の交代、入る人の追加などが当たります。
- 電子で出すとき:相手(元請・再下請負人)の承諾を得れば、書面の代わりに電子メールやシステムなどの電磁的方法で通知できます(施行規則14条の4第4項・第7項)。どの方法を使うかは元請の指定に従います。
不要なのはどんな時
| こんな時 | 法律上の再下請負通知 |
|---|---|
| 自社がさらに下へ請け負わせていない | 不要(関東地方整備局の資料でも「再下請負していないため」提出義務なしと例示) |
| 施工体制台帳の対象でない工事(民間で、下請代金の合計が基準額未満 など) | 不要。ただし元請が任意で同じ書類を求めることはある |
| 資材の納入だけ、運搬だけ、調査業務など、建設工事の請負に当たらない契約 | 建設業法上は台帳への記載は不要。ただし発注者が仕様書などで記載を求める場合がある(同資料。国交省発注工事の警備会社の例) |
| 相手が許可を持っていない・一人親方 | 不要ではありません。建設工事を請け負わせたなら対象 |
「不要」と判断できるのは法律上の話です。現場の入場の条件として元請が書類を求めている場合は、元請の指示に従ってください。
よくある書き間違い
- 自社のことしか書いていない:再下請負通知書の中心は、自社が請け負わせた相手(再下請負人)の情報です。
- 注文者の欄に元請を書く:注文者は自分の1つ上の会社です。二次なら一次の会社名です。
- 契約日と工期の始まりを取り違える:契約日は契約書を交わした日、工期は工事の期間です。
- 契約書の写しを付け忘れる:添付は施行規則で決まっています。公共工事以外は金額部分を隠してかまいません。
- 許可のない相手を書かない:一人親方や許可のない業者に請け負わせた場合も対象です。
- 変更を出さない:工期の延長や人の入れ替えがあったら、変更年月日を付けて出し直します。
- 相手への通知を忘れる:請け負わせた相手にも、元請の名前と提出場所などを書面で伝える必要があります。
AI番頭 建太くんで作ると
- 職人さんの台帳を一度入れておけば、現場を選ぶだけで作業員名簿・再下請負通知書・持込機械等使用届が刷れます。期限切れの資格は、出す前に赤で止めます(安全書類の画面で期限を入れた資格が対象です。それでも印刷することはできます)。
- 建太くんの再下請負通知書は、この工事をさらに下へ請け負わせたとき(再下請が「有」のとき)だけ、請け負わせた相手ごとに1枚刷ります。自社の欄(直近上位の注文者・許可・工事・工期・注文者との契約日・保険の加入状況・監督員・現場代理人・主任技術者・外国人の従事の状況など)と、相手の欄(会社名・住所・許可番号と業種・工事名称と内容・工期・契約日・保険の加入状況・現場代理人・主任技術者と専任かどうか・外国人の従事の状況など)を、関東地方整備局の作成例の並びで載せます。
- 相手の会社名・住所・許可番号・契約日は、建太くんの帳簿(下請契約)に入れてあれば、そこから写せます。空の欄があると、出す前の点検で赤く止めます。
- 下請契約書の写し(公共工事でなければ金額は隠してよい)は紙で添付してください。建太くんは「添付する」の印が付いていないと、点検でお知らせします。相手への通知(元請の名前と提出場所など)は、元請から受け取った掲示の内容をそのまま伝えてください。
- 出るのは紙(印刷)です。PDFは印刷画面の「PDFに保存」で作れます。様式番号は印字していません。元請が独自の様式や電子提出を指定している場合は、出した紙を見ながら書き写していただく形になります。
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職人さんの情報を入れると、作業員名簿などの紙が刷れる形になります。まず御社の名簿を1枚、無料でおつくりします。
この記事は2026年10月24日時点の法令・資料に基づきます。法令の条文は e-Gov 法令検索、様式の作成例は国土交通省・厚生労働省の公開資料で確かめています。実際の提出書類と様式は、元請の指定に従ってください。
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