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安全書類(グリーンファイル)の解説

持込機械等使用届の書き方

公開 2026年10月24日 / 株式会社菩提樹

結論(3行)

  1. 持込機械等使用届は、法令で様式が決まった届出ではなく、元請が現場の安全管理のために求める書類です。元請から求められたら、入場前に出します。
  2. 背景には、元請(元方事業者)の下請への指導義務(労働安全衛生法29条)や、特定元方事業者が機械の配置計画を作り、下請の重機の作業計画を指導する決まり(同法30条1項5号、安衛則638条の3・638条の4)があります。
  3. 電動工具を届の対象にするかは元請の決め方しだいです。対象なら、漏電遮断装置や使用前点検(安衛則333条・352条)が確かめられるように書きます。

持込機械等使用届とは

下請の会社が、自社の(またはリースの)重機・移動式クレーン・電動工具・溶接機などを現場に持ち込むときに、元請に「何を、いつからいつまで、だれが使い、点検はどうなっているか」を知らせる書類です。元請はこれを見て、機械の点検の状況や、使う人の資格を確かめます。

呼び名や用紙の分け方は元請によって違い、重機と電動工具・溶接機で用紙が分かれていることもあります。どの用紙を使うかは、元請から渡されたものに合わせます。

義務ですか? 法律との関係

建設業法・労働安全衛生法とその規則を確かめた範囲では、「持込機械等使用届」という名前の書類の提出を義務づける条文はありません。ただし、元請がこの届を求める理由になる決まりはあります。

決まり中身根拠
元方事業者の指導元請(元方事業者)は、下請とその作業従事者が安衛法令に違反しないよう必要な指導を行い、違反があれば是正の指示をする。下請は指示に従う労働安全衛生法29条
機械等の配置計画建設業の特定元方事業者は、工程の計画と、作業場所の主要な機械・設備や仮設の建設物の配置の計画を作る同法30条1項5号、安衛則638条の2・638条の3
下請の作業計画の指導車両系建設機械(機体重量3トン以上のものなど)を使う作業の作業計画や、つり上げ荷重3トン以上の移動式クレーンを使う作業について、下請が定める内容が元請の計画に合うよう指導する安衛則638条の4

一方、機械を持ち込む下請の会社自身にも、事業者としての義務があります。届に書く欄は、これを確かめるためのものです。

つまり「届を出す義務」というより、元請が安全管理の責任を果たすために、持ち込まれる機械の点検と使う人の資格を確かめる手段です。入場の条件として求められることがあるので、求められたら入場前に出す、と考えておくのが実務的です。

根拠:労働安全衛生法29条・30条/労働安全衛生法施行令20条/労働安全衛生規則36条・155条・167条・169条の2・170条・638条の2〜638条の4

電動工具も要る?

電動工具(丸のこ、ディスクグラインダー、電気ドリルなど)や溶接機を届の対象にするかどうかは、元請の決め方しだいです。

電動工具・溶接機で確かめられることが多いのは、次のような安衛則の決まりに関わる点です。

道具確かめること根拠
電動工具(移動式・可搬式)対地電圧150ボルトを超えるもの、または水で濡れた場所・鉄板上・鉄骨上など導電性の高い場所で使うものは、感電防止用漏電遮断装置を付けた電路につなぐ(難しい場合は接地)安衛則333条
漏電遮断装置・移動電線などその日の使用を始める前に点検し、異常があれば直ちに補修・取替え安衛則352条
交流アーク溶接機狭い導電体に囲まれた場所や、高さ2メートル以上で鉄骨等に触れるおそれがある場所では、自動電撃防止装置を使う安衛則332条
アーク溶接・研削といしの取替え業務につく人が特別教育を受けている安衛則36条1号・3号

「電動工具も要る?」と聞かれたら、まず元請の指示を確認し、対象なら上の点が分かるように、工具名・台数・点検日・漏電遮断装置の有無などを書いておくと差し戻されにくくなります。

根拠:労働安全衛生規則36条・332条・333条・352条

欄ごとの書き方

欄の名前は元請の様式によって違いますが、よくある欄と書き方は次のとおりです。

欄書くことひとこと
宛先・提出日元請の現場(所長)宛て、出した日入場前に出します
会社名・次数・連絡先持ち込む会社(自社)の名前、何次の下請か、電話リース会社ではなく、使う会社の名前
工事名称元請の工事名作業員名簿と同じ表記にそろえます
持込期間(使用期間)持ち込む日〜持ち帰る日延びたら出し直し(元請の指示による)
機械の名称・型式・能力例:バックホウ(バケット容量)、移動式クレーン(つり上げ荷重)、高所作業車(作業床の高さ)能力はメーカーの表示や車検証の値をそのまま書きます
管理番号・製造番号機械を見分ける番号リース品はリース会社の管理番号
点検の記録特定自主検査(年次)の実施日・検査者、持込時の点検日検査標章や点検表の写しを求められることがあります
運転者・取扱者氏名と、技能講習・特別教育・免許などの資格作業員名簿の資格欄と食い違わないように
点検・管理の責任者機械の点検・管理をする人現場にいる人を書きます
危険物・有害物燃料・塗料・溶剤などを持ち込むか持ち込むなら安全データシート(SDS)の用意を求められることがあります

記入例

下の画像は、AI番頭 建太くんで出した「持込機械等・危険物 使用届」の見本です(会社名・人名はすべて架空)。会社名・工事名・使用期間・持ち込む機械と電動工具・危険物の有無・取扱う人・点検管理の責任者を1枚にまとめています。

持込機械等・危険物 使用届の記入例。会社名、工事名称、使用する期間、持ち込む機械・電動工具(バックホウ0.25m3、高所作業車、発電機)、持ち込む危険物(なし)、取扱う人、点検・管理の責任者の欄が並ぶ
持込機械等・危険物 使用届の見本(架空データ)。元請の様式に機械ごとの欄(型式・管理番号・自主検査日・運転者の資格)がある場合は、その様式に合わせて1台ずつ書きます。

機械ごとに書く様式の場合の、1台分の記入例です(架空)。

欄記入例
機械名バックホウ
型式・能力メーカーの型式名/バケット容量0.25m3/機体重量は銘板・カタログの値
管理番号自社管理番号 BH-03
特定自主検査2026年2月実施(検査標章あり)
持込時点検2026年4月10日 点検者 田中 健一
運転者・資格小林 亮太 車両系建設機械(整地・運搬・積込み用及び掘削用)運転技能講習
持込期間2026年4月10日〜2026年6月30日

機体重量によって必要な資格が変わります(3トン以上は技能講習等、3トン未満は特別教育)。機体重量は推測で書かず、銘板やカタログで確かめてください。

よくある書き間違い

  1. 運転者の資格が名簿と合わない:作業員名簿の技能講習欄に無い資格を、使用届にだけ書いてしまう例。両方をそろえます。
  2. 機体重量と資格の区分が合わない:3トン以上の機械なのに特別教育しか書いていない、など。
  3. 特定自主検査の日付が1年を超えている:持ち込む前に検査標章の年月を確かめます。
  4. 持込期間が工期の途中で切れたまま:延びたら元請の指示に従って出し直します。
  5. 電動工具の欄を空欄にする:元請が電動工具も対象にしている場合は、台数・点検日まで書きます。
  6. リース会社の名前を会社名欄に書く:届を出すのは使う会社です。リース品であることは備考などに書きます。

AI番頭 建太くんで作ると

  • 職人さんの台帳を一度入れておけば、現場を選ぶだけで作業員名簿・再下請負通知書・持込機械等・危険物 使用届が刷れます。再下請負通知書は、さらに下へ請け負わせたとき(再下請「有」)に相手ごとに1枚。下請契約書の写しは紙で添付してください。
  • 安全書類の見張りに期限を入れた資格は、切れていれば赤で出て、出す前に名指しで止めます(それでも印刷することはできます)。健康診断は1年を過ぎると注意が出ます。
  • 出るのは紙(印刷)です。PDFは印刷画面の「PDFに保存」で作れます。様式番号は印字していません。元請が独自の様式や電子提出を指定している場合は、出した紙を見ながら書き写していただく形になります。

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この記事は2026年10月24日時点の法令・資料に基づきます。法令の条文は e-Gov 法令検索、様式の作成例は国土交通省・厚生労働省の公開資料で確かめています。実際の提出書類と様式は、元請の指定に従ってください。
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